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本当の気持ち
「今日も一人でストレッチしてんの?」
同じ陸上部のやつのセリフがぐさっと胸に突き刺さる。
「…まあな」
府抜けたストレッチを終えた俺は、体育座りで他のやつが走る姿をただぼんやりと眺めていた。
静とキスをして何日もたつっていうのに感触は唇に生々しく残っている。
俺はぎゅっと口元を手のひらで押さえた。
キスされてめちゃめちゃビックリした。
けど、キモいとかは全然思わなかった。
静を突き飛ばしたのは、友達だとか言っておきながら俺の下半身はキスに反応していたことに気づかれそうになったから。
まさか静相手にジリジリと焼けつくような痺れが起こるなんて。
………俺は静のことが好きなんだろうか。
いやいや、そんなはずない。
今まで好きになったのは全員女の子だった。
「神原!
早く用意しろ!」
顧問に促されて 、俺はグラウンドのスタートラインに立った。
そして全てを忘れてしまいたい一心でがむしゃらに走った。
「こら、神原ー!!
何だこのタイムは!」
顧問の激がとんだ。
うるせー。
こっちは必死に走ってんだよ。
けど何度走っても結果は散々だった。
「俺、どんだけメンタル弱いんだよ」
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