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それならオレンジは何となくわかる。
「クア・ケファルだったかしら、東洋と西洋の文化の合流を示した神殿の名前は」
「クア・ケファルで合ってるよ、文化よりも宗教だけど」
クア・ケファル・・・トガル帝国はいわゆる東方に位置するのだが、同じ大陸に西方文化圏と呼ばれる国々がある。
それは極めて遠方にあり、滅多なことでは交流することはない。
しかし、かつて西方文化圏の国々が自身の文化圏に属さない国々を聖誅として制圧して回ったことがある。数百年前のことであるが、それが聖誅軍遠征としてこの東方文化圏を脅かしたことがる。
その遠征そのものは不完全に終わる。
つまり、東方文化圏から見れば侵略されずに終わり、西方文化圏は失敗したことになる。
しかし、撃退したわけでもなく、しばらく、東方と西方の境界は曖昧になった。
そこは東方の信奉する浄土信仰と西方の信奉する神の国信仰とが混ざり合うこととなる。
どのように混ざり合ったのかは学者の判断を待つので僕たちも把握しきれてはないが、その融合の象徴がクア・ケファルと呼ばれる町であり、そこの王の宮殿がいわゆるオレンジと紫を基調とするステンドグラスに覆われたものなのだ。
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