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さて、小さな鍵だがこれに当てはまるだろうか。
娘達とこれを見つけた時には壊してしまおうかと考えたものだが、わたしがそれを拒んだ。
きっと鍵がないのも何か意味があるものなのではと思ったからである。
しかし意外と早く、そして簡単に見つかった今は少々笑える。
爪楊枝の半分ほどの長さの鍵は、つまむのも慎重に、鍵穴にも慎重にはめ、回す。
かちりと極々小さな音が鳴った。
錠を外し、表紙を捲ると、またそこに本があった。
なるほど、この藍色の皮の部分は箱のような役割なのかと感心する。
中に入っていたものこそ、本だった。
指にかけるようにそっと取り出し、また指でなぞる。
つるりとした触りはまだ真新しいものだと知らせた。
表紙を捲る。
「……?」
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