泡沫の恋

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 一週間後、越谷の両親から晩ご飯に誘われて、越谷が秋良を連れてまた家まで行くと、玄関を開けた母親の様子がおかしい。目と口を開けたまま固まっていたかと思えば、やがてその目が冷たく細められる。 「あなた、うちに何のご用?」 「え」 「ちょっと母さん、何言ってんだよ。今日秋良さんを晩飯に呼んだのは母さんだろ?」 「そんな女を呼んだ覚えはないわよ!」 「ちょ、ちょっと母さん、落ち着きなさい」  一週間前に会ったときと同一人物かと思ってしまうほどにその態度が急変した母親。前回は優しかった母親が突然秋良にきつく当たるようになったことに、その場で全員が立ち尽くす。  父親がせっかく料理をたくさん作ったんだからと二人を家に入れて、予定通り夕食を一緒に囲むことになるも越谷も秋良も父親も、不機嫌丸出しで一言も秋良と口をきかない母親に戸惑い、その理由も分からないまま気まずい食事会は終わった。
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