ガテン系栄養士・クリスマス特別編

迷った時は、初心に帰ってみれば良い。

一ヶ月前、うちの病院って何でもっとイベント食とか考えようとしないんだろう？
僕は、過去の献立表を開いては投げ、開いては投げして散々に散らばった机を眺めてヴーヴー唸っていた。
その理由はクリスマスの献立だった。
どれを見てもクリスマスの特別メニューは主菜の照焼チキンだけなのだ……。
だから僕は今年はもっと良くしたいと考えた。
まずは照焼チキンだ！
いくら高めのやつだからと言っても、いつものメニューで鶏の照焼があるのだから却下だ。
業者を聞き回り、サンプルをとったりしてたどり着いたのは、チキンステーキだった。
表面に薄く小麦粉がまぶしてあるのか少しサクサクして美味しい！
香りも少しハーブが効かせてあるのか爽やかな香りがする。
主菜は、これで決まり。

副菜はやはり、シーザーサラダかな！ゆで卵砕いてオシャレにするのも良いね。

３品目はやっぱりクリスマスの三色ゼリーだね……。

物足りない、後１品何かほしい……。
僕は棚の資料を読み漁った。
しかし、良いのがない！
なんと言うか、庶民派な料理ばかり……。
美味しいんだけどね、クリスマスには似合わない。
資料を出しては端に、出しては端に、と繰り返していた。
そんなとき手元からスルリと抜けた落ちた薄ピンク色のの本。
いたるところが傷だらけで、折れ目がいっぱい。
学生時代のレシピノートだ。
そうだ！このレシピノートならあれが……！
僕は記憶を頼りにページをめくった。
そしてたどり着いたメニューは白菜のミルク煮だった。
これなら！手を加えればメインや副菜を引き立ててくれるいいスープができるぞ

こうしてクリスマスがやって来た！