最終話 禁じられた遊び

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 この数日間、加奈は悠斗に病的な程に愛情を注ぎ、そのうちに潜んだ狂気を露にしていた。  加奈が悠斗の失踪に関わっていることは、安易に想像できた。 『もしもしぃ? あらお姉ちゃん。自分から関わるなって言ってきたくせに、何の用かなぁ』 「あんた、悠斗の居場所知ってるんでしょ!? あんたが何かしたことくらい分かってんのよ!」  ずっと悠斗に付きまとっていた影、加奈。  その加奈の毒牙に悠斗が晒されていると考えると、頭がどうかしてしまいそうだ。 「何いきなり、うるさいなぁ」 「質問に答えなさい!」  しかし、加奈は他人事のように釈然としない態度。それが更に真奈の焦りと怒りを掻き立てた。 「お姉ちゃんの質問に答えるのなら……もちろん、知ってるよ? だって悠斗君を誘拐したの……あたしだし」  加奈は何の躊躇いもなく、自身の犯行であると認めた。  関わっているとは思っていたが、あまりにも犯行をあっさりと白状した加奈に、真奈は驚きを隠せなかった。  加奈に言い逃れする気も、事件を隠ぺいする気も毛頭ない。何故なら、悪事を働いているという自覚すら欠如しているからだ。  善悪など関係ない。ただ、自らの欲を満たすためだけに加奈は行動する。  十三年前、姉妹が弟・由宇に対して行ってきた『禁じられた遊び』と同じように。     
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