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大学も残りわずかだった。合宿から帰えった翌年、俺は卒業して教員免許を取った。
柔道で名の知れた俺さまを引き抜きたい私立の高校は多かったために、まんまと体育の教師兼柔道部の顧問として働き始めたのである。
しかし、俺はあの島の事を忘れたことはなかった。なぜなら、あれから助けてくれた少女と手紙のやり取りを続けていたからだ。
やがて3年の歳月が流れた。俺は休暇に忙しいスケジュールを押して彼女に会いに島へ行くことができた。彼女は高校を卒業して島の役場で働いていた。役場が終わると約束した砂浜へ走ってくる彼女がいた。目を疑うほど、成長した彼女を見て俺さまの心臓はまたもや恋をしていた。
おい心臓!なんだってそんなに早く時を刻む秒針のようにカチカチ鳴るんだ?
俺はずっと彼女と暮らしたいと、思い始めていた。
彼女は別れ際に俺さまに言った「早くまた会いにきてね」と。
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