最良の選択②~大学生活~【★★★★☆】

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最良の選択②~大学生活~【★★★★☆】

彼の意識がはっきり戻ったのは、私立大学に願書を出した時だった。 大学職員「お預かりします。」 時田「あれ?なんで大学にいるんだ? たしか俺は音楽学校へ行こうとして願書に手を伸ばしていたはず。あ、その時に突然声が聞こえたんだ・・・まさか、あの能力・・嘘じゃなかった・・・俺が私立大学と音楽学校の2択で迷っていた結果、最良の選択が私立大学だったってことか。たしか、プロになれる確率は2%とか言ってたな・・・もう、願書を出してしまったし、プロになれる確率も歩まずにわかったわけだし、私立大学のキャンパスライフを楽しむとしよう。」 彼は私立大学への道を歩むことになった。 時田「しかし、大きな決断をした後は腹が減るものだ。お気に入りの中華のチェーン店で飯でも食べるとしよう。」 定員「いらっしゃいませ」 時田「おぉ、春のおすすめメニュー対決がやってるな。ニンニク定食VSチャーハン定食か、ニンニク大好きだからこっちかなー。うーんチャーハンもいいけど。」 その時だった、頭の中にまたあの声が聞こえだした。 時田「ま、また、頭に痛みがはしる。まさか、こんな2択でも発動するのか。」 声「ニンニク定食に心が決まりかけていますが、社会的には最良の選択ではありません。栄養素から見ればニンニクのほうが優れていますが、スメルハラスメントの原因にもなります。このあと、新幹線に乗って名古屋に帰られる際にニンニクが原因で他の方に不快な思いをさせてしまう可能性が高いです。よって、チャーハン定食が最良の選択となります。」 次に意識がはっきりしたのは、彼がチャーハン定食の注文を終えた後だった。 時田「この能力・・・ヤバイぞ。進路に迷っていたときは良い。最良の選択を教えてくれたと思う。だが、このオススメメニュー対決のように予期せぬかたちでの2択を迫られた際に、少しでも心の中でどっちが良いか比べたら、すぐ能力が発動してしまう。これからの人生でどれだけ2択が迫られるのか。」 時田はこの能力を手に入れたドリームガチャをしたことを少し後悔した。 時田「ん・・いやまてよ。もしかしたらこんな使い方もあるかもしれないぞ。」
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