最良の選択③~最終話~

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時田「あれ。ここは・・・たしか事故にあったはず・・・」 不幸中の幸いとも言うべきか、意識を失っていたものの、時田は軽症で済んだのだった。 時田「体のあちこちが痛いが、助かって良かった。そ、そうだ、舞と智之は 無事なのか。」 看護師「いまお二人は緊急手術を行っております。容態については後ほど担当医からご説明いたしますので」 時田「ぶ、無事なのか、早く教えてくれ。」 時田は心臓の高鳴りとともに、とてつもない不安感に襲われた。 ・・・もし、2人とも帰らぬ人になってしまったら、 いや、2人ともというよりは、舞が帰らぬ人になってしまったら・・・ いてもたってもいられなくなり、傷ついた体で手術室へ向かった。 ~待合室~ 待つこと3時間、医師が時田のもとへ説明をしにきた。 医師「2人とも内臓の損傷がひどく、非常に危険な状態です。」 時田「そんな・・・先生なんとかしてください。家族を2人も失うなんて耐えられない。」 医師「お気持ちは痛いほど、わかります。ただ・・・」 時田「ただ?何か助かる道があるんですか?」 医師「・・・これは、私の口から申し上げずらいことなんですが、奥様と息子様の損傷箇所がお互い異なるため、どちらかの臓器を移植すれば助かる可能性があります。」 時田「・・・それって。」 医師「もう片方の方は残念ながら・・・」 時田「ふざけるな!どっちかを選択しろってことか・・・」 能力が発動した。 声「非常に危険な状態の2人、どっちを選択するかは、智之君を生かす選択になります。理由は簡単です。舞さんは出産適齢期も既に過ぎており、現在専業主婦。社会貢献できる可能性が低くなっております。一方の智之くんは、これからの可能性が無限に広がっており、あなたのように体の欠陥もございません。また、親が自らの命を犠牲にして子供の命を助けるのは当然と言えます。日本の未来を担う子供を大切にするのは社会的にも裁量の選択です。よって智之君を生かします。」 時田「(やめろー やめてくれー) 智之を助けてください」 ~数日たって~ ドリガチャ君「人間生きていれば、選択に迫られるときは誰しもある。最良の選択が自分にとって最高ではないこと、道を誤るから人間として成長できることを忘れちゃダメだな。さて、次は誰にしようか・・・」 人間の欲望がある限りドリガチャは存在する。
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