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甘くて、もたれる
娘が幼稚園の芋掘り遠足から帰ってきた。
自分で掘ってきた芋に加え、さらにお土産として5本ほどプラスされ、泥つきのさつまいもが大量に我が家に持ちこまれた。
本数だけでなく、1本がとても大きい。
ちょっと食べきれないくらいの、芋、芋、芋。
「そしたら、スイートポテトにしようかねえ」
夫が楽しそうに言う。
「すいーとぽてと!」
4歳の姫子が飛び跳ねた。その服についていた砂がぱらぱらと床にこぼれたので、慌ててウェットティッシュで拭う。
「それにしても食べきれないね。実家にお裾分けする?」
「そうだね。さつまいもなら、あれば食べるよね」
夫の温生の実家は、歩いて5分とかからない場所にある。
二世帯住宅を建てるよりは、近くに部屋を借りちゃった方が早いね。そう言ってさりげなく同居を回避してくれたのは、夫だった。
つかず離れず、程よい距離感でサポートしてくれる実家。
優しい夫。
愛くるしい一人娘の姫子。
つつがなく過ぎる日々。
そう、わたしは幸せだ。
夫は無職だけれど。
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