母の思い

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「早く起きなさい!何やってんの!何日休んだら気が済むの!」 最近学校に行っていない娘に朝一番にかける言葉はこれでした。 「頭痛いから、無理。」 彼女の眠そうな声が帰ってきます。 サボりだと思っていました。 本当は元気なのに部屋から出てこようとしない彼女に、私はとても腹を立てていました。 何といっても、時々出てきて顔を合わせた時は元気そうなんです。 それを知っていて、見ているからこそ朝の怒りは大きいものでした。 どうせ部屋でゲームして漫画でも読んでるんだろうと思っていました。 朝、彼女が泣いたことがありました。元々すぐに泣く性格でしたし。朝っぱらからこんなに怒鳴られてそりゃあ涙も出るでしょう。怒られてウザいとも思うでしゎう。 そんなことを思って、別段気にも止めていませんでした。 昨日も彼女はその通り、いつもと変わらない様子でした。 いつもと変わらず部屋にこもって、時々顔を合わせるとへらへらとしていました。 勘違いのないように書いておきますが、娘が嫌いとかそういった事は一切ありません。むしろ大好きな宝物です。 だからこそ、へらへらした笑いも私にとって「まったく、元気そうなのに...」と思わせる程度のものでした。 ですが次の日、彼女は帰らぬ人となりました。 彼女は私たちに置き手紙をしていました。 「お母さん、お父さん今までありがとう。親不孝者でごめんなさい。 私がこうしなきゃいけなかった理由は2人が何かしたからとかいうことでは決してありません。学校で何かあったからという訳でもありません。誤解がないように書いておきます。 ごめんなさい。」と。 私は常に考えてしまいます。 どうすれば彼女を救ってやれたのかと。 今悩んでも何もかも手遅れだと分かっていても。
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