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「ミキちゃん、いい子じゃないの~。そうだ、結婚しなさい。」
「は?」
この唐突な私の命令に、18歳になった息子のユウヤは半ば呆れた様子で沸かしていたお湯を入れた。インスタントコーヒーの良い香りが漂ってくる。
「お母さんも飲む?」
「いらない。あんた、お母さんの話聞いてるの?あ、ごめん、やっぱりコーヒー飲むわ。」
「え、ミキと結婚しろって?なんで?」
「いい子だからよ、可愛いし。あの子にしなさい。」
「いや、あいつ確か彼氏いるぞ」
「何?」
うちの息子はイケメンで優しく、本当によく出来た男だ。そんな話をしながら、私の目の前にコーヒーとチョコレートが運ばれてきた。私のコーヒーには、ちゃんとミルクが入っている。砂糖は抜きだ。
「いいわ。お母さんが別れさせるわ。」
「だから、なんでだよ。」
私がこれだけ必死になっているのには、もちろん理由がある。
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