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タコ滑り台から落ちた小さな男の子を受け止めたタケさんは、セメントの滑り台で頭を打って脳震盪を起こしていた。
救急車がついた時には気がついて、隊員さんに謝りながら、でも頭から少し血が出ていたので救急車に乗せられて行ってしまった。
やっと立ち上がることができた私の手には、自転車の鍵があった。
一週間後の水曜日。私は自転車の鍵を握りしめて、公園に向かった。
思ったとおり、ベンチに燕の精はいた。頭に包帯を巻いている。
「あの。」
そう言っておずおずと差し出した自転車の鍵と、新しい水のペットボトルを見て、あなたがくれた笑顔を私は一生忘れない。
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