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「日本でやったら、悶絶するって!」
「アハハ。だからここにしたんだって」
紗神は楽しそうに言って、大きなステンドグラスの前で立ち止まった。美しい天使を描いたステンドグラスの迫力に、目を見開いてしまった。
「キレイだね」
「うん、キレイだ。ここで誓えば、信じるだろう?」
「…何を誓うって?」
「だから、永河への愛だよ」
ぞわっ! 全身に一気に鳥肌が立った!
「なっ、どっ、どうしたの? あまりの暑さに、頭やられた?」
「…お前、本当に言うようになったよな。そもそもオレが好きでもないヤツを、側に置くと思っていたのか?」
「だって…僕は僕に自信がないし。そもそも紗神に愛を言われたことなんて、今まで一度もなかったじゃん」
「でも好きだとは言っただろう?」
「…言ったっけ?」
「言った。はじめてセックスした時」
「言ってない! 僕に好きかと聞いただけ!」
「アレ? そうだったっけ?」
くぅっ! …あの時せめて好きって言ってくれれば、こんなに思い悩むこともなかったのに。
「でも好きかと聞いて、『両想い』って言っただろう?」
「『好き』にはいろんな意味があるの、知らない?」
嫌味たっぷりに言うも、紗神は肩を竦めただけ。
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