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 高級住宅地にあって、それでもなお目立つマンション。  僕は二階があるマンションの部屋に、生まれて始めて来た。 「…噂には聞いていたけど、スゴイ所に住んでるんだね」 「そうかな? 親父がオレが住むようにって建てたマンションなんだ。実家の方が大きくて広かったし」  …想像つきません。ここより大きくて広い家なんて。  そもそも僕の実家なんて二階がある一戸建てだけど、ヘタすればここより狭くて小さいかも…。 「でっでも確かにここに一人じゃ寂しいかもね。誰か泊まりにとか来ないの?」 「あんまり。オレ、住んでいる所で騒がれるの、イヤなんだよね」  彼はそう言いながら、キッチンで料理を作っていた。何でも料理が得意で、僕にご馳走してくれると言う。  手伝おうかと申し出たけど、一人の方が良いからと言われたので、リビングのイスに座って待っていた。  他にも誘っている人がいると思っていたけれど、僕一人だけで驚いた。  彼いわく、前から僕と話がしたかったそうだけど…。  僕は彼に興味を持ってもらうような人間じゃない。だから不思議に思っていた。 「お待たせ。嫌いな食べ物、特になかったよな?」 「あっ、うん。好き嫌いはないんだ」  テーブルにはパスタとサラダ、それにスープが置かれた。     
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