吸血鬼さんIN学校

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吸血鬼さんIN学校

 翌日――あの『一目惚れした』発言で一睡も出来なかった私を待っていたのは、早朝からの部活の朝練という残酷な現実だった。 (昨日のどさくさで完全に忘れてた。それにしても、寝不足の身に朝からのマラソンは堪えるなぁ)  真冬の身を切られる様な寒さの中、私は校舎の外周をジャージで走る。  ちなみに私が所属しているのは女子バレー部で、来月には大きな大会が控えている。その為、先輩達の熱の入れようが凄まじい。  クリスマスとイヴくらい、休みにしてくれたって良いではないか。 (早く大会が終わってくれたらなぁ。そうしたら、この朝練地獄も暫くはなくなるのに)  不謹慎なことを考えつつ、休憩ポイントに置いてある自分のバッグからドリンクを取り出そうとし、私ははっと顔色を変える。 (しまった……!)  実は今朝、リビングにもキッチンにも寄らないで飛び出して来てしまった。  昨日の件もあり、既にリビングにいたリルゼイと顔を合わせ辛かったからである。  そして、キッチンにも寄っていないということは、ドリンクも持ってきていない。  
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