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ーー 次の日
授業も終わり、今日もまた部活の時間がやってきた。私は急いで着替え、足早にグラウンドへ向かう。
でも今日は全然 億劫ではない。昨日までと違い頭の中もスッキリしている。早く飛びたい・・ただそれだけを思いながらバーの前まで来た。
「今日は顔つきが違うな。」
陸先輩が笑顔で話しかけてきた。
「今日は飛べます。先輩、見てて下さいね。」
私はそう言ってスタンバイをする。周りの音は一切聞こえない。今、凄く集中しているのが自分でも分かる。
飛べる!
私は助走をつけて思いっきり踏み込んでジャンプした。
ふわっ
久しく忘れていたこの感じ。背面跳びをしながらそっと空を見上げると、清々しい青空の景色が広がっていた。気持ちいい・・・。飛んでみないと分からないこの空の景色を私は楽しんだ。
そして笑顔でマットの上にポスッっと落ちる。バーを確認するが、バーは落ちてなかった。
「飛べた!」
思わず私は陸先輩の方を見る。先輩は笑顔で親指を立てイイネのポーズをして私のところまで来てくれた。
「美希、綺麗に飛べたじゃん。そのまま空高く飛んでいくのかと思ったよ。羨ましかった~。」
「はい。飛んでてめっちゃ楽しかったです。先輩のおまじないのおかげですかね。ありがとうございます。そして高飛びも好きですけど・・私、陸先輩の事も好きです。」
スランプから立ち直り、テンションが上がっていた私はつい勢いで告白してしまった。
どうしよう・・・
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