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「大丈夫だ。
お前の望み、カウントしておいた」
と振り返りもせず、基は言う。
いや、望んでないんですけどーっ!?
「お茶にいたしましょうね」
と体育会系の雰囲気に似合わぬ丁寧な口調で、流れをぶった切るように高倉が言った。
黙って彼を見つめていると、高倉は笑い、
「いや、お茶まではカウントされないと思いますよ?」
と言ったあとで、
「……しましょうかね? 基様」
と基に向いて言う。
「しても構わんぞ」
かーまーいーまーすーっと思いながら、あやめは、アリさんのように列をなしてやってくる業者の人に、せっせと運ばれていくおのれの荷物を眺めていたのだが。
「……私の荷物って、こんなにありましたっけ?」
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