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会ったのが考えに柔軟性のある信長でなかったら、こう上手くは進まないだろう。
「はっ! 喜んで」
「名を与える。ヌシはこれから左近と名乗るのじゃ」
どこから、左近が湧いてくるの?
「へ? 何ゆえ左近と?」思わず訊ねる。
「それはな……左近に右近やら、四天王やらが家来にいれば、強そうで聞こえが良いのじゃ」
厨二病かよっ!
年齢が年齢だし、ドヤ顔をしている信長に楯突くのは愚かだな。
短気で苛烈なエピソードも残っているし。
「ありがたき幸せにございます!」
「爺も心配しているので城に戻るのじゃ。ふむ……左近はそうだな、是非もなし。ワシの後ろに乗るのじゃ」
馬に乗った経験はないけれど、どうやら身体が覚えているらしい。自分でも驚くほど簡単に騎乗できた。
いいのか? 仮にも嫡男なんだし、普通は何人もお供が付くよな。
思っていたら大声が聞こえてくる。
「吉さまぁあ、探しましたぞぉお!」
これまた騎馬少年が駆け寄ってくる。信長の近習だろうか?
「おう、カツか! 許せ」
「この池田勝三郎、平手様に叱られてしまいます。して、そちらの御仁は?」
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