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素顔を見られる場所を取材条件に彼女が指定したのは、レギュラーを務める地方番組で一度訪れたことがあると言う、某所にあるこの冬お勧めのインスタ映えする場所だった。
「この写真、よくないですか?」
高校生の時は写真部に属したこともあり、現在は芸人屈指のインスタ芸人としても知られる彼女は、夢中になってシャッターを切り続けた。
「お笑いとどっちが好きですか?」
私の質問を無視するように夢中だ。極寒の中での過酷なロケも経験したからなのか、雪が舞っていても彼女の手が止まることはない。
「私にとってはどっちが上とは言えない。カメラは海外のロケに行く時も持参しています。相方よりも相方な存在です」
そう言いながらもシャッターを切る手を彼女は緩めなかった。手持ちの一眼レフは過去に大きな仕事をした時に、自分に対するご褒美として購入した自慢の一品だと伺った。
納得のいくショットが撮れると、テレビでは見せない女性の顔を覗かせる。美しいモノに対する貪欲な姿勢は、世の女性と遜色ない。私もそうだから。
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