ボクとナナ

3/4
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
「いっちゃん、一晩中ずーっと水場の外にいたみたいね」 「昨日から動いてないみたいだし、背中乾いてるから、多分ね」 「外に出してくれ、アピールじゃない?」 「大丈夫かなあ」 「とりあえず、なぁちゃんいないし、出してみる?」  ねえちゃんはそう言って、ボクの部屋の天井を半分あけてボクを持ち上げ絨毯の上に置いた。やった~、久しぶりの部屋の外。いつもナナが自由に歩き回ってて羨ましかったやつー! 「あ、嬉しそう。メッチャ早歩きやわ」  ねえちゃんの声にナナがお父さんの部屋からリビングにやってきた。 「壱の方が先にいたから、なぁちゃん、様子見だね」 「いっちゃんのにおいメチャメチャ嗅いどるわ。ちょっとずつ近づいてってるし。興味津々やね」  近い! ナナ、やめて~! 怖いわ! ねえちゃん、ママ、助けて~!
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!