おじいちゃんからもらった石

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 おじいちゃんから話を聞いたママはボクの部屋のひなたぼっこ石をまじまじとながめていた。けれど、なにせおじいちゃんが集めている骨董類にも全く興味のないママだ。何も響かないらしく、すぐに飽きた。 「わからん。ホントかな?」  おじいちゃんを疑っているみたいだ。 「いっちゃんより高かったんや」 「おじいちゃんが大げさに言っとるんやよ、きっと。昔はそういう値で取引してたこともあるのかもしれんけど、今は昔ながらの庭がある家も少なくなったし、盆栽も外国の方がさかんやし100円でも売れんわ、多分」  本当のところはわからない。まあ、10年この石と一緒だけど、ボクにもこの石の価値はわからない。小さい頃は大きくて邪魔だったし、今も邪魔だし、ボクのひなたぼっこ用としては座り心地?寝心地?が悪くて、のんびりとくつろげないんだけどなあ。  せっかくのおじいちゃんのプレゼント(生前贈与)だから、たまには上でひなたぼっこでもするかな。この時期の石は腹が冷えるぅ!
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