ニホンイシガメのひとりごと

もう一匹のイチ

　ママがボクに言った。アカミミが悪いわけではないのだけれど飼ってた人たちが逃がしたせいで、ニホンイシガメが棲む場所を追われてしまったんだよって。
　ボクはどこの産まれ(※11)かわからないから、ボクも自然の中で暮らすことはできないんだって。里山で頑張ってる日本中のイシガメたちにボクはエールをおくることにする。ご飯は黙っててももらえて、アカミミやカラスに襲われたりしない場所でぬくぬくしているくせに、って怒られそうだけど、みんなの平和を願うぐらいはいいよね。
　――ニホンイシガメのみんな、頑張って生き抜け～、長生きして～、ね♪

※11　東海産と九州産では全く同じじゃないのかもしれず、その土地で獲れたものでないカブトムシやクワガタを放してはいけないというのと近いかもしれません。自然に飛んでったり歩いていって交配するのはアリだけれど人為的では種の保存という意味ではナシなのでしょうね。