ママがクレイマーになった

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 ボクのご飯は「カメの○○(※13)」だ。フタに小分けして水に落とし入れてくれる。ものごころついたころからこれなので、黄色いフタが近づいてくると、ご飯だ、ご飯だ、ってなる。ボクがあせって喰い気味にのび上がって口を大きくあけるので、ねえちゃんには「こわいわ」って、言われる。  川エビは指でつまんでくれるときもある。距離感がイマイチつかめなくってパクってやるとき、勢いあまって指まで噛みそうになることがある。ま、ねえちゃんの指の場合が多いかな。 「ねえちゃんの指の方が血色よくて新鮮そうやもんね」 「肉やないわ」 「ママのは色が悪くてしわがあって、いっちゃんにはおいしそうに見えないんやろね」  決してそういうつもりではないから。ママの指のしわなんか気にしたことない、と思う。
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