ママがクレイマーになった

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 しばらくして、そのメーカーから(カメ○○○)の大缶とご飯(カメの○○)の小缶が送られてきた。丁寧な手紙とともに。 「私、クレイマーになっちゃったの?」 「カメ○○○でも成分的には大きく違わないので食べる方をあげてください、って書いてある」 「いやいや、こんなことをしてほしかったわけじゃないのに~」  手紙の書き方がまずかったのかと、ママは猛省してる。8年ぐらいこのご飯で暮らしてきたボクを心配して、なんとかしなければの手紙だっただけなのに。  ママは送り返すのも失礼だし、ありがたくいただくことにしたようで、お礼のハガキを書いて出した。ボク的にはカメ○○○はエビが混ざってて嬉しい。エビ好き。サンキュ!  残ってたカメ○○○を食べて秋を過ごし、その次の春、ボクの脳みそは味の微妙な(?)違いを覚えてなかった。それに背(甲羅)に腹(腹甲)はかえられない(?)、腹が減っては……だね。 「食べるや~ん」 「ほんとや。普通に食べとる。壱がばかでよかったわ」  なにげに今ボクをディスったよね、ねえちゃん。 「ご飯食べられるようになったてことは、このカメ○○○大缶を壱一人(匹)で食べきれる? 賞味期限までに」 「絶対無理やわ」
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