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気になる彼と優しさの嘘
賑やかな声が飛び交う昼休み。
友達と昼食を食べ終えて、自分の席にお弁当箱を片付けに戻ろうとすると、
近くの席で腕相撲をして盛り上がってる男の子集団。
どうやらトーナメント戦らしく、ナンバーワンを決めるべく一つの机を挟んで熱い戦いが行われている。
腕相撲とか、男の子って小学生の頃からいつも誰かしらがやってる気がする。
高校2年生の男子が、小さい子供みたいに無邪気に真剣勝負している様子に、私は思わずクスッとしてしまう。
その中には、城戸くんの姿もあった。
テーブルに腰掛けて、前の男の子の背中にもたれかかりながら応援してる。
ふっ、なんか幼くて可愛い……!
顔がニヤケそうになるのを堪えながら、そろりそろりとその後ろをすり抜けて、鞄を開けてお弁当箱をしまっていた時だった。
「おわっ、」
ガタンッ!
思いきり腕を倒されて、大袈裟にリアクションした男の子が、バランスを崩して私の席の方にイスごと派手に転がった。
「わ……!」
間一髪、机にはぶつからなかったものの、腕に引っ掛かった私の鞄が、机から床に落ちてしまった。
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