追う者と追われる者。恋愛の終着点はどこですか?

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その日の夜、わたしはとんでもない夢にうなされた。 いつものようにポロ村の固くて平らなベッドの上で、おじぃやおばぁにバレないように豆球の薄暗い明りの中で、騎士様シリーズにぐふぐふにやにやと転げ回っているとですね…… 突然、ガシッと布団から生えてきた腕が身体に巻き付いてきたのです。 はれ? なんじゃこりゃ? 『捕まえた。もう2度と離さねぇからな』 『えええっ!! ちょっ、困ります!』 喋った! 妖怪布団が喋りましたよ?! どこに口があるのか分からないが、解けない腕とどっかで聞いた事のある声にギョッとする。 『なんで? ……俺のことが嫌いなのか』 『いえまさか! 貴方は素晴らしい寝心地と安眠をくれるのに、嫌いなわけないですよ』 『じゃあ……俺とその本、どっちが好き?』 瞬間、ドキーーンっと心臓が跳ね上がった。 あれ……あれれ……この感じ、前にも一度体験したような気がします。……どこでだ? 思い出せないけど、なんだか凄く焦って来ましたよ? 背中にぐぐぐッと力を込められる。まるで早く答えろと言わんばかりの腕の強さだ。 苦しい!骨が折れます!ギブ!ギブ!ヘルプミー! 掻き毟るようにしてシーツに爪を立てたら『イテェな』と耳元で囁かれた。だからその声やめて!と息苦しいなか訴えれば、みるみる内に妖怪布団が人型を作り上げ…… 『本より実物がいいと言わせてやるよ』 「ぎゃああぁぁああーーーっ!!」 叫びと共に飛び起きた次第であります。
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