追う者と追われる者。恋愛の終着点はどこですか?

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バリッと音がしそうな性急さで3人の腕がお父さんを引っぺがす。ベッドの端に飛ばされたお父さんを囲い込み、口々に罵り始めた。 「ベリスっ!貴様は生かしておけぬ!よくもサエの貞操を……っ!」 「貴方はとんでもないことをしでかした。親が娘を襲うなんて恥を知るといい」 「おい、ド変態の鬼畜野郎。テメェのナニを今すぐぶっ潰してやる」 待て待て待て。待ちたまえ3人とも! おかしな言葉が出まくっておりますよ! 「ふん。ウジ虫どもの頭の中身はロクなもんじゃないことが証明されたな。確かに……お前らにやるぐらいならいっそ我の手で奪うことも考えるべきか」 「おおおお父さんっ!!」 完全な誤解なのに何を焚きつけてんですか?! 「サエ。肌を隠せ。モロに見えておるぞ」 「は?………ぎえぇっ!!」 薄い夜着だったことを忘れておりました。 先程の引っぺがしによって、ヨレた服からお胸様がこんにちはしていたようです。 お父さんの言葉に慌てて胸元の服をかき集め、シーツの中に飛び込む手前で3人が3人とも「え?」という感じでこちらを振り向いた。 そしてその口角は、罵りを上げていたとは思えないほど、ちょっと緩んでいたようにも思います。 危ない! 危機一髪だったですね……というか、なんで見るんですか! 3人とも! そしてシーツに埋もれたわたしに残念だと言いだけな顔をするのもやめて頂けませんかね?! 即効、出て行けと叫び散らす。 あと、妙な勘繰りは一切ないからお父さんの挑発に乗るなとも付け足しておきました。
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