番外編 ひたすら我慢の子

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「そう言えば、知ってましたかアルディさん。 ラウル様に聞いたのですが、あの鳩ぽっぽの使者様は1匹じゃないんですって。ビックリですよね」 「………」 「何匹もいるなら1匹ぐらい下さいよって冗談でお願いしたら、さすがラウル様。太っ腹にもつがいでプレゼントしてくれたんですよ」 「………」 「お礼にポロ村で取れた薬草で作った、健康盛り盛りジュースを差し上げたんですけど、ラウル様がポロ村の特産にしたらどうかとおっしゃいまして」 「………」 「試しにローザで試飲会を実施したらですね、これがもう面白いぐらいバカ受けだったんですよ。飛ぶように売れましてですね。提案もそうですが、販路まで確保して下さったラウル様はポロ村の救いの神ですよ」 「………」 「日持ちしないから、3日に一度はローザに商品を運んでいるんですけど。お忙しい中、いつも顔を出してくれるラウル様は素晴らしい治世者だと思いませんか? 尊敬しちゃいますよ」 ……ぶちっと血管が切れたと思う。 菓子を口に放り込みながら、ぺらぺらぺらぺらとこちらも見ずに、他の男の名前を連呼しまくってんじゃねぇぞ。 俺は聞いてない。一つも聞いてない。 リュドが知らなかったはずないだろう。 だが、あの捻くれた性格だ。これは絶対に面白いネタだとか何とかで、敢えて報告しなかったに違いない。 あいつは後で制裁を食らわすとして…… 問題はお前だ。サエ。 お前には菓子ではなくて「特別な」お仕置きを味わって貰おうか。
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