いざ、王宮へ

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とにかく顔が迫って来たので何とかしなきゃと思い殴りました。グーで。あの麗しく整った頬を。 けれどですね、ぶたれた頬に怯みもしないんですよ。再びわたしに顔が向けられた時のあの表情といったらですね。 野獣ですよ野獣。目に炎が灯ってました。 そこでやっとノエル様が、分かったって。 認めるから破廉恥極まりない行為は今すぐ辞めろと言って下さりまして。 やっと解放されるんだと気が緩んだところ、ノエル様の声が聞こえてないのか、クロードさんが更にわたしの服を破ったので思わず悲鳴を上げてしまいました。 衛兵が駆けつけてクロードさんを引き離してくれたんですけどね。彼がわたしの上から離れてしまうと裸が見えてしまうわけですよ。 それを危惧したクロードさんが、自らマントを脱いでかけて下さったんです。他の男に見せるんじゃないと言いながら。 演技に没頭し過ぎてたくせに、気遣いがあるのかないのかよく分からないですよね。 「で、わたしの魔力が凄まじ過ぎるからクロードさんから離れろと、王様に言われまして」 「出て来たお前がフラフラしてたところを、俺が見つけたってわけか」 「そうなんです。 それで王妃様に術を教える事になったんですが、魔術士じゃないと言えば殺されますが教えないと死ぬんです。どうすれば?」 この板挟みの答えを教えて下さい。
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