謎に蹴躓いて陰謀に囚われる

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「それでは王妃様、今日はこの辺で失礼致します」 「はい。サエ様、ありがとうございました。 次回までに復習しておきますので、これからもよろしくお願いしますわ」 侍女に汗を拭って貰いながら優雅な足取りで去って行く王妃様に、嘘を付いている罪悪感を胸に秘め、わたしとアルディさんは深々と頭を下げて見送った。 「さて、次は王宮図書館でしたね。どこにあるんですか?」 屋敷の本はあらかた読み終えた。 目当てのモノが書いてないので、違う書物を手に入れなければと話し合いましたよね。 「おいコラ、ふざけんなよ。誰が弟子だ」 ちっ…せっかくこのまま流そうと思っていたのに覚えてましたか。 「いいじゃないですか。その方が信憑性が増しますし、ポロ村体操もしっかりと出来て」 「言うな!忘れろ!記憶から消せ!いいな!」 「そんな邪険にしなくてもですね」 「うるせぇ!あんなもん一生の恥だ!王妃が居なかったら絶対にやってないからな!」 よっぽどポロ村体操が嫌だったのか、図書館はあっちだ。先に行ってろ。と頭を抱えて座り込むアルディさん。 仕方ない。彼が落ち着くまでソッとしておこうと、1人で図書館を目指すことにした。 身体全体を動かすハードな体操ですが、村長さんが村の皆の健康の為に考えた有難いものなんですけどね…と、馴染みのある体操に、ああもショックを受けるものかと複雑な心境を抱えて進む。
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