謎に蹴躓いて陰謀に囚われる

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「……マジか」 「マジみたいです」 「お前に夜這いしたのは本当に術のせいじゃないんだな?」 「それはですね…あくまでクロードさんが言うには、ですよ」 と、念押しの前置きをしてから話し出す。 「わたしがアルディさんの騎士姿に見惚れていたのと、女性とイチャコラしている貴方を妬まし気に眺めていたから嫉妬で気持ちが先走った、とおっしゃってました」 「お前、俺に惚れてんの?」 「だから!そうじゃなくてですね!」 「怒んなよ。冗談だろうが」 今はそういうの辞めて下さいね。気が立ってるんです。 「クロードさんの中ではわたしとお付き合いしてる事になってるんですが、どうすればいいですかね?」 「……知るかよ。嫌なら嫌と言えばいいだけだ」 簡単に言わないで欲しい。 わたしの言動で一喜一憂し、見当違いな嫉妬までするぐらいなのだ。断ったりしたら自殺しかねない勢いなんですよ。 それに……嫌かと言われたら嫌じゃない。 ただ、困っているんで助言を下さい、と言ったら、自分で何とかしろと、助言もくそもない一言だけを頂きました。 「分かりましたよ。じゃあ次の相談なんですがね」 「まだあるのか?!」 はい。こちらの方が大至急に解決しなければならない問題なのですよ。
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