謎に蹴躓いて陰謀に囚われる

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「お嬢様方。 クロード様は我が主人なれど、私の前で他の男の話をされてはいけません。 その可愛らしい瞳を…奪ってしまいたくなるから」 「ア、アルディ様っ?!そ、そんなつもりは」 「では、どういうおつもりでしょう? 男の独占欲を掻き立てるのがお上手な子猫ちゃん」 ………目が点になる。 真正面の女性の顎を持ち上げて、唇スレスレの位置で優雅に笑うお姿は、一体何処のどなたでしょうか? 周囲は顔を真っ赤に染めてキャーキャー黄色い声をお出しになり、当の女性は口をパクパクさせて失神しそうになっておりますが。 「仕事がなければ今すぐ君を攫うのに……残念だよ」 と、トドメの一言を吐かれて女性の息の根を止めたアルディさん。 ふらっと崩れ落ちる彼女を抱きとめて周囲に預けると、蜘蛛の子を散らすように女性達の群が居なくなった。 「……忘れてましたが、貴方はたらし軍団所属でしたね」 何が子猫ちゃんだ。何が攫うだ。 どの口がのたまうのだと言ってやりたいが、小説の中の騎士様が現実化した様を見せつけられて、ドッキドキと煩い鼓動が邪魔をする。 不覚にも貴方が格好良く見え……いやいや、違う。 アルディさんは暴言吐きのつり目だった、しかもナメクジを飼っている、と思い出し無理やり正気に戻しておいた。 「貴方は軍団のトップスターでは?」 と聞けば、何だソレは。どうせいい意味じゃないだろ、と言われた。さすがスター、察しがいいですね。
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