謎に蹴躓いて陰謀に囚われる

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「では、どうすれば良いのだ」 「クロードには、そちらの黒頭巾に代わり、良い美姫を与えてはどうでしょう? 幸い、まだ婚約とのことですし……結婚前の男女の仲など、いつどうなるか分かりませんからね」 「しかし……2人の気持ちもあるだろう」 「レアル王様の臣下を思い遣る心遣いには大変感動しておりますが、恐れながら言わせて頂きますと、王が王の約束を違えるとは国と国との約束を違えるのと同じことです。 これはジュール王国の信用に関わる問題で、その信用を無くせば国にとって危機を招き兼ねませんぞ」 ノエル様に断言されて、レアル王は言葉を失くす。 目を閉じて思い悩むかのように深いため息をつかれた。 わたしは焦っている。 ここで王様がノエル様の言葉を受け入れてしまったら、ラウル様の元へ行くしか道がなくなってしまう。 クロードさんも身分が上の方達のやり取りに、口を挟める立場にないし…… 困った。困ったぞ。と、悩んでいても始まらない。 王様が口をお開きになる前に何とかせねば! 「あ、あの! ……は、発言しても、よろしいでしょうか?」 「無礼だぞ。小娘よ!」 「よせノエル。発言を許す。ラウル王も良いですな?」 彫りの深いお顔に絶やさぬ微笑が、真っ直ぐにわたしを射抜く。こ、殺される、と後ずさりしかけたが、彼はレアル王様の問いにゆっくりと頷いた。
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