いつの間にか罪人に!

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いつの間にか罪人に!

動けない…… いま動いたら確実にあの世行きだから。 「答えろ。貴様は誰だ」 と申されましても…… 口はカラカラ頭はグワァングワァン耳鳴り目眩でおかしくなりそうなんです。 せめてわたしに向けられている、この物騒な剣先を収めて、もう少し穏やかーな顔と優しーい口調で語りかけてくれたら、貴方様のご期待にすぐにでも応えることが出来るかと。 「なぜ黙っている。死にたいのか」 そんなっ!滅相もない! 言いがかりも甚だしいが、どうしてこんな状況になっているのかわたし自身も皆目見当がつかない。 ああ神さま……嘆いて憂いて目の前の出来事から現実逃避したいぐらいなのに、縋った神さまは薄情にも無言だった。 「あのっ、殺さないで。わたしは怪しい者ではありません」 「とぼけるつもりなら首が飛ぶぞ」 「ひえっ!!」 何という事でしょう。 必死の弁明も無下にされ、尚且つ剣先が益々わたしに近付いたではないか。 首元ギリギリを冷んやりとした感触が掠めてドッと嫌な汗が噴き出た瞬間……死を覚悟した。 思えば短い人生だった。ポロ村のおじい、おばあ、先立つ不幸をお許し下さ………いじゃない!! 冗談じゃない。訳もなく殺されてたまるか。
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