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奴隷は平和の為に奮闘します ( 絶賛、こき使われ中 )
笑う準備は万端だ。
自分の顔面偏差値が低いことは、棚どころか雲の上や宇宙の果てに追いやっておこう。
超絶イケメンのクロードさんとラウル様を知っているわたしとしては、そんじょそこらの、まあまあイケてますね、モテる部類ですね、程度ではビクともしないぐらい目が肥えている。
口の悪い、違う、筆談の悪い、これも表現がおかしいな、態度の悪い、これだ、自意識過剰の俺様め。
その高い高い高ーくなったプライドを砕いてやる。
ニヤニヤしながら覗き込んで、5秒ほど静止。
「…………」
うん? どうやら目が疲れているようですね。
手を放して、目をこすって、はいもう一度トライ。
「…………」
ペン、ペンが必要です。
動揺を隠して席を立ち、投げたものを拾って帰れば、スッと横から紙が滑ってきた。
《 イケメン過ぎて声も出ないだろ 》
乱れたボサ毛を指で整えながら、こちらを見上げる彼の口元に笑みが浮かぶ。
ムカつくけれど、今はそれに構う余裕がなかった。
《 ご兄弟はいらっしゃいますか? 》
《 いない 》
《 生き別れになったとかもないですか? 》
《 しつこい 》
《 すみません。知り合いに似ていたものでして 》
《 世の中、自分に似てる奴が3人はいるらしいぞ 》
へぇ、3人もいるのか。
じゃあ、やっぱり他人の空似なんだろう。
瓜二つ、瓜双子、ていうか肌の色を省けばご本人じゃないかっていうぐらい、すっごくすっごく似てるんですけども!
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