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追う者と追われる者。恋愛の終着点はどこですか?
聞いてしまった……
とうとう、ついにというか、お父さんの過去に触れてしまいました。
それは自分が想像していたよりも壮絶で、簡単にその場しのぎのような言葉は返せなくて、ただでも、わたしに対する想いは凄く深く伝わって来たから。
受け入れたいと、受け入れるべきだと、自然に答えが出ていたんですよ。
だからですね、こうして自分が下した決断について真摯に話しているわけですが……なぜかそれを口にした瞬間、壁に追い詰められております。
「納得できないっ!絶対に嫌だ!!」
「それはちょっと許容出来ないなぁ」
「借金を踏み倒すつもりかよ」
上からクロードさんラウル様アルディさんの順番で、言葉とともに迫り来る顔面の迫力たるや凄まじいものがある。
「お、御三方は……反対なんですかね……?」
「当たり前だ! サエは俺を捨ててベリスを取ったも同然なんだぞ。そんな事に賛成することは出来ない」
「そうだね。僕も反対だ。邪魔ばかりでちっともサエを口説けてないのに……その提案は飲めないよ」
「お前分かってんの? 結局ベリスは親じゃなかっただろうが。そんな奴に情を持てるなんてバカだろ」
もう一度、上からクロードさんラウル様アルディさんの順番で全否定されてしまいました。
うぐっ……それぞれの言葉が胸に刺さりますね。
「サエ。我は大賛成だぞ。ウジ虫共の見苦しい言い分など気にする必要もあるまい」
「「「 ふざけんなっ! 」」」
おお。見事に息ぴったりにハモりました。
超絶不機嫌な3人と違って、怒声も何のその、お父さんはニコニコと素敵な笑顔を崩さない。
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