番外編 ひたすら我慢の子

1/11
302人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ

番外編 ひたすら我慢の子

( アルディ視点より、結ばれたその後の話。 まあまあゲスい。悶えるアルディをどうぞ ) 今日こそは絶対に逃がさない! 何がなんでも、そういう雰囲気に持っていってやる。ヤる。抱いてやる! じゃないと俺が死ぬ。我慢のし過ぎで気が狂う。 だって半年。半年も我慢したんだ。 出会って好きになった時間を入れたら1年は経過しているだろう。 その間、誰とも肌を重ねていない。 例え任務でも、サエを好きだと自覚してからは、そんな欲が他に向かなくなっていたから。 不能になったと思った事もある。 男として終わったと、絶望したのも1度や2度じゃない。 サエにしか反応しなくなった身体。 笑顔に勃つ。思い浮かべて勃つ。サエなら怒った顔でもとにかく勃つ。 ……気色悪い。バレたら即死だ。 想いが通じ合った後は、 上記は勿論のこと、触れて勃つ。キスしたら収まるのに時間がかかって超痛ぇ。 サエを諦めないクロード様やラウル王、1番凶悪強敵な自称、父を名乗るイカれ野郎のベリスに邪魔されまくった日々は、もういい加減うんざりだ。 寄り付かなかった自分の屋敷が今は有難い。 初めて招待したサエを横目に、ギラギラと燃える欲望を胸に隠しながら、けれど確かな信念 ( 今日こそヤる ) を持って部屋に促した。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!