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大学で東京に出てくるまで、マサユキは仙台の実家で暮らしていた。
幼稚園か小学校にあがる頃だとすると 1989年か90年、そのあたりだろう。
近所にマンガ好きのおじさんがいて、いろいろなマンガをくれたのだ。
「ドラえもん」はもちろん「がきデカ」や「まことちゃん」など有名作品は片っ端から読みあさっていた。
名前の覚えていないマンガもたくさんあったが、ギャグマンガが多かったのを覚えている。
大人になって、マンガもアニメも適度にたしなむ程度になってしまったが、マサユキのからだにはおじさんのマンガの血がいまでも流れているのだ。
そんな折、マサユキがなんの気なしにテレビアニメを見ていたところ、主人公が悪い側に、悪役がいい者側にまわるというストーリー展開になり、これがマサユキを苦しめるもやもやの原因となってしまったというワケである。
「まあ別にわからなかったらわからないで いいっちゃいいんだけどさ」
悔しまぎれに自分に言い聞かせるセリフも 心のもやもやを晴らしてはくれなかった。
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