11人が本棚に入れています
本棚に追加
さっきの女性、服装以外はよくいるタイプの人でしたが、あんな人達まで赤いローブの組織だったとは驚きです。
これまでの行動から言ってどう考えても彼らは悪い人達なのですが、堂々と町中を歩いているのはどういうことなのか。
ともかく卵を持っていることがばれなかったのは幸いでした。
ここは自分達の知らない土地、いつなにが起こるかわからないのです。ここからは気を付けて行動していかなければなりません。
と、思っていた矢先に今度はレインが人とぶつかりました。
「きゃっ」
とかいう女の子の可憐な声。
ぶつかった弾みで少女は後ろへ倒れそうになったのですが、レインは咄嗟に手をのばして相手の手をキャッチしました。
少女は慌ててレインの腕に縋りつき、そこで我に返ったのか更に慌てた様子で彼から身を離しました。
「ととと殿方と手をつないでしまいましたわ!」
なんなんだこの少女はとレインはとても警戒しました。
相手は十二、三歳くらいの女の子で、顔を真っ赤にさせておろおろと騒いでいます。
はちみつ色の髪を頭の横で一つにまとめており、大きな瞳には戸惑いと恥ずかしさの色が浮かんでいます。リボンがついたエプロンドレスを着用していて、そのふりふりファッションが似合うすごく可愛らしい女の子です。
でもきっと変な子だとレインの第六感がささやきました。
最初のコメントを投稿しよう!