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二人とも驚くほどそっくりな顔立ちをしていて、可愛らしく上品そうな雰囲気でした。
「孫のアミンカとエリンカよ。さ、二人ともご挨拶して、今日からしばらくの間ここで暮らすお客様ですよ」
「よろしくお願いいたしますわ。私は姉のアミンカです」
「私は妹のエリンカ。どうぞお見知りおきを」
二人はスカートの裾を持って優雅にお辞儀をしました。チェリィも二人のポーズを真似て挨拶します。
「あたしはチェリィよ。ええと、ご、ご機嫌うるわしゅうございますわ」
やや緊張しながら挨拶したチェリィに続いてジミーは行儀のよいお辞儀をしました。
「僕はジミーです。どうぞよろしく」
しかし双子は彼のその挨拶が耳に入っていないらしく、驚愕の目でレインの方を見ていました。
「あ、あ、あなたはもしや」
似たような声とポーズで同時に言う二人の姿を見て、レインはこの町に来て間もない頃に道で少女とぶつかったことを思い出しました。
その時にぶつかった少女、双子の妹の方であるエリンカは頬を赤く染めていました。
「あの時のお方ですね。またお会いできるなんて」
レインがなにかコメントをする前に、別の意味で顔を赤くしたアミンカがずいっとレインに顔を寄せて言いました。
「なぜあなたがここに! エリンカちゃんのストーカーをしようなんてそうはいきませんわ!」
明らかにおかしい疑惑を持たれたレインですが、やはり彼が言い返す前にブラウンさんが慌てて仲裁に入ります。
「アミンカ、はしたない真似はおやめなさい」
注意をされたアミンカはいったんおとなしくなりましたが、警戒心たっぷりの目でレインを睨みました。
まさか以前出会ったことのある二人と再会するなんて思ってもみなかったことです。
なんやかんやありましたがチェリィら一行はすぐに彼女達と仲良くなりました。少なくともチェリィとジミーの二人は彼女達と仲良くなりました。
レインだけはアミンカから理不尽なくらいに嫌われてしまったようですが、エリンカの方とは何度か言葉を交わす程度には親しくなったようです。
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