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それからみんなで一緒に昼食を取り、その後チェリィは双子の部屋で一緒にお茶会をして過ごしました。
広くはないけれど清潔なお部屋の調度品はどれも可愛くて質の良さそうな物ばかりで、淡い桃色や白で統一されています。
双子の両親は仕事で外国へ行っているので、帰ってくるまでこのおうちでお世話になっているとのことです。
二人は最初にチェリィが直感した通りのお嬢様だったのですが、お世話をしてくれる祖母へのお礼と、社会経験の為によくお店の手伝いをしているそうです。
二人ともブラウンさんと同じく物腰が上品で優しいので、チェリィはすぐに彼女達が好きになりました。
「あなた達はお父さんやお母さんと一緒じゃなくて寂しくないの?」
その質問にエリンカがおっとりとした口調で答えます。
「時々は寂しく思うこともありますわ。でも私達にはおばあ様もいますし、お店に来るお客様もとても親切にしてくださるのよ」
次にアミンカが音も立てずに紅茶をすすってから言いました。
「チェリィちゃん達はなぜこの国へ?」
「うーん、話せば長くなるんだけど。あのね」
チェリィはこれまでのことを説明しました。
ブラウンさんや双子は信用できるそうなので、例のあれ、もといドラゴンの卵のことも話し、しばらくの間この国にいる必要があるのだと話しました。
「ともかくそんな訳で、しばらくの間ここでお世話になることになったの」
「私達も出来る限りのお手伝いをさせていただきますわ」
「困ったことがあったらなんでも言ってくださいませ」
二人の気遣いにチェリィは感激しました。
これから先、祟りについてやドラゴンの卵を狙っている赤いローブの人達の動向について探ってみなければなりません。
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