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知らない国に来たばかりで不安もありましたが、こうして協力者ができるということはなんと心強いことなのでしょうか。
「幸いあたし達が例のあれを持っていることをこの国にいるローブの人達はまだ知らないはずよ。あの人達に気付かれないように、それとなく調査を進めなくっちゃ」
「そういえば」
エリンカがふともらしました。
「以前あのローブの方達がお客様としてやってきた時に、少しだけお話を耳にしたのだけれど」
「それ、どんな?」
「あの方達には、女王様とやらの声が聞こえるのだそうです。いつも女王様の為に行動しているのだ、と」
チェリィは首を傾げました。
彼らの言う女王様というのはなにかの比喩なのか、本当にドレスの貴婦人あるいは鞭を持ったお姉さんのことなのか。後者だとしたらとんだ変人集団ですが、声が聞こえるとはどういうことなのでしょう。
なにか悪い妄想をこじらせてしまったのだとしても、それはこんなにも大人数に及ぶものなのでしょうか。
ゆっくり紅茶をいただいてからこれからの計画を練ろうと思った矢先に、突然ものすごい爆音がして窓ががたがたと揺れました。
女の子達は甲高い悲鳴を上げてうずくまり、しばらくの間恐怖と驚きに震えていました。
やがて静けさが戻ってきてから三人は恐る恐る顔を見合わせます。
「やだ、なんなの今の?」
チェリィは困惑しました。ご近所でなにかが爆発を起こしたのでしょうか。
部屋の外からぱたぱたという足音がしてきて、ブラウンさんが中に飛び込んできました。
「あなた達大丈夫?」
慌ててすっとんできたブラウンさんに双子は飛びつきました。
「とても怖かったですわ!」
「今の音は一体なんですの?」
「それがね、どうもこの近くでまた祟りがあったそうなのよ」
「祟りですって!」
それまで怯えていたチェリィは反応しました。
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