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「すぐそこの空き地で爆発が起こったらしいの」
「どっかに爆弾魔が潜んでいるのかもしれない事件を祟り扱いしていいの!」
「そうは言うけど実際にそれらしい人は目撃されていないのよ」
「あたしちょっと様子を見に行くわ」
「まぁ、危険ですわ」
双子とブラウンさんが必死に止めようとしましたが、チェリィは聞きません。
「あたしだけでも、あたしとジミーだけでも行かなきゃ!」
「チェリィならそう言うと思っていたよ」
いつの間にか外へ行く準備ばっちりのジミーが部屋の前でスタンバイしていました。
「レインは?」
「眠いから寝るって」
「叩き起こしてきなさい!」
あたしとジミーだけでもと言いつつレインも巻き添えです。ブラウンさんや双子らに心配されながらも三人は祟りがあったという空き地へ向かいました。
ブラウンさんのお店から道沿いに歩いていくと、ほんの数分で目的地にたどり着きました。
「で、具体的になにをするつもりなんだ?」
付き合わされる羽目になったレインは心から不満げな表情です。
「調査と言ったらまずは聞き込みよ!」
気合たっぷりな様子でチェリィは空き地に乗り込みました。
空き地のど真ん中には大きな穴が開いていて、周りにあった物があちこちへ吹き飛ばされていました。
辺りにはすでに騒ぎを聞きつけてやってきた近所の住民がうろついており、あれこれ好き勝手なことを言い合っているのが聞こえてきます。
「ああ恐ろしや恐ろしや」
「ドラゴンはなにを考えておられるのだ」
「ドラゴンの巫女様、我らをお救い下され」
人々はこの件を爆弾魔の仕業ではなく、本当に祟りだと思っているようです。
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