5 巫女

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 眉一つ動かすことなくシルヴィアは優美な礼を取りましたが、一瞬だけ、チェリィは彼女に睨まれたような気がして「ひっ」という声をもらしてしまいました。  それ以上この場にいられなくて、チェリィは出口へ向かって駆け出しました。 「チェリィ!」  突然逃げ出したチェリィをジミーが慌てて追いかけてきました。  廊下に出てぶるぶる震えるチェリィの背中をさすり、ジミーは彼女の顔をそっと覗き込みました。 「どうしたの?」 「わかんない。でも、怖い」  今にも泣きだしてしまいそうな顔でチェリィはジミーの腕に縋りつきました。 「チェリィちゃん、どうかなさったの?」  ただ事ではないと察して二人の後を追ってきた双子に、ジミーは困惑した表情で言いました。 「チェリィの具合が良くないみたいなんだ。先に帰っているよ」  チェリィを気遣いながらジミーは彼女の手を引いて歩いていきました。  家への帰り道でジミーは何度もいたわりの言葉を掛けてくれましたが、チェリィは必死にジミーの手を握りながら、ただただあの少女のことを考えて身震いをするばかりでした。
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