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二年前、レインのことを誘拐した謎の集団と同じ服装をした人が三人も出てきました。
でもあの時に会った人達とは違うメンバーです。
二年前に見たショタコンのお姉さんがいなかったのでレインは安心したような残念なような気分になりました。
「我々はある崇高な目的の為に行動している。その荷物をこちらへ渡してもらおうか」
「あたし達にそんな義理があるわけ無いでしょ」
「ならば腕付くにでも」
赤いローブの人達は杖を掲げて威嚇してきました。子供相手に暴力で訴えるなんてとんでもなく悪い人達です。
「こういうのって先手必勝だし」
相手がなにかしてくる前にレインが魔法を放ちました。
急激に冷たい空気が辺りを包んだと思ったら、瞬く間にローブの人達の足元が凍りついたのです。
「こ、このガキなんてことをしやがる!」
文字通りの足止めを食らったローブの人達が下品に罵ってきました。
相手が動けない内にすたこら逃げるに限ります。
レインとジミーが両側から女性の肩を支え、チェリィは女性の持っていた荷物を抱えて走り出しました。
「小癪な」
悪態をつきながらもローブの人は魔法で炎を出して足元の氷を溶かしました。
「くそ、一体どこへ行ったんだ?」
あっという間に姿を消したチェリィ達を捕まえようと、ローブの人達はどこかへ走って行きました。
彼らがばたばたと通り過ぎていった後にチェリィ達はひょっこり茂みから出てきました。
こちらの方が地の利に長けているのです。よそからきた人が地元住民を見つけようったってそうはいきません。
「なんなのあの人達?」
あの派手な色のローブからして、昔レインを誘拐した集団と同じ組織の人間なのは明白です。
早くこの女性をエイミーのところまで連れて行かなければなりません。それにこの荷物もとても気になります。
一行は村へ急ぎました。
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