1 不思議な卵

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 どうにか赤いローブの人達に見つかることなく森の出口まで着きました。ここを抜ければすぐに村へ入ることができます。 「あと少しよ、お母さんの所へ行けばあんな人達簡単にやっつけてくれるはず」 「おっと待ちな!」  なんと、うまいことまいたと思っていたのにあっさりと見つかってしまいました。地元住民に追いつくとはなかなかの執念です。 「子供相手に本気を出したくはないが、そこの少年はなかなかやるようだからな。痛い目に遭いたくなければさっさとそれをよこすんだ」 「お断りよ」 「ならば仕方ない、くらえ!」  気合たっぷりにローブの人が魔法を放ちました。  避ける時間はありません。レインも咄嗟に魔法を放ってそれを粉砕させました。 「くくく掛かったな」 「!」  突然体が重くなって一行はその場に伏してしまいました。  今の攻撃はこちらの隙を作るための罠だったのでしょう、まんまと引っかかってしまったチェリィは悔しそうに言いました。 「うぅーん、なんなのよこれ」  どうやら重力を操る魔法のようです。  立ち上がることはおろか、指一本まともに動かせません。 「おい、あんまりやると卵ごと潰れちまうんじゃないか?」 「平気だろ。なんたってあの卵は」  とかなんとか喋っているのが聞こえますが、チェリィ達にとってはそれどころではありません。  三人揃ってまさかの大ピンチです。 「ちょっとレイン、な、なんとかならないの?」 「しんどいから無理」  そんな理由で打開への道が潰れるなんてあんまりです。レインは肝心な時にポンコツだから本当に困ります。
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