1 不思議な卵

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 それからどれだけの時間が過ぎたのでしょうか。  三人は森の中に倒れていたのです。 「どうなったのかしら?」  困惑した顔で三人は辺りを見回しました。  見覚えのない景色が広がっています。こんな場所、みらくる村の近くにはありませんでした。周りには名前も知らない草や木が生えています。  どうやらあの扉をくぐって知らない場所に来てしまったようです。  これからどうすれば良いのでしょう。 「よく来たな、人間の子よ」  どこからか声をかけられて一行はキョロキョロしましたが、声の主と思われるその人物の姿はどこにも見えません。 「ここだここだ」  その時、ぬっと自分達の上を大きな影が覆ったことに気付きました。  三人は顔を上げ、そしてひっくり返りそうになりました。 「ふはは、そう驚くでない」  なんと頭上から声をかけて来たのは、巨大な体を硬いウロコに覆われ、鋭い爪と大きな翼を持った蛇のような長い首の生き物、ドラゴンでした。 「よくぞ我が国へ来てくれた。そなた達を歓迎しよう」 「あああ、あの、あたしたちにはなにがなんだかさっぱり」  混乱してジミーを盾にしながらもどうにかチェリィは言うと、ドラゴンは厳かに語り出しました。 「どうか我が話に耳を傾けて欲しい。そなたらにこの国を救って欲しいのだ」  それは、ある気持ちの良い秋の日のことでした。  謎の卵の導きによって、チェリィ達は新しい冒険の中へと放り込まれてしまったのです。
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