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それからどれだけの時間が過ぎたのでしょうか。
三人は森の中に倒れていたのです。
「どうなったのかしら?」
困惑した顔で三人は辺りを見回しました。
見覚えのない景色が広がっています。こんな場所、みらくる村の近くにはありませんでした。周りには名前も知らない草や木が生えています。
どうやらあの扉をくぐって知らない場所に来てしまったようです。
これからどうすれば良いのでしょう。
「よく来たな、人間の子よ」
どこからか声をかけられて一行はキョロキョロしましたが、声の主と思われるその人物の姿はどこにも見えません。
「ここだここだ」
その時、ぬっと自分達の上を大きな影が覆ったことに気付きました。
三人は顔を上げ、そしてひっくり返りそうになりました。
「ふはは、そう驚くでない」
なんと頭上から声をかけて来たのは、巨大な体を硬いウロコに覆われ、鋭い爪と大きな翼を持った蛇のような長い首の生き物、ドラゴンでした。
「よくぞ我が国へ来てくれた。そなた達を歓迎しよう」
「あああ、あの、あたしたちにはなにがなんだかさっぱり」
混乱してジミーを盾にしながらもどうにかチェリィは言うと、ドラゴンは厳かに語り出しました。
「どうか我が話に耳を傾けて欲しい。そなたらにこの国を救って欲しいのだ」
それは、ある気持ちの良い秋の日のことでした。
謎の卵の導きによって、チェリィ達は新しい冒険の中へと放り込まれてしまったのです。
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