第一章

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「腰痛めたのや、それに歳には勝てん。高い木や塀には登れんようになってしもた」 「それやったら若いもんに指図して白井さんは監督してたらええんちゃうんですか」 「そうは行くかい、あくまでも使用人やそれに立花さんとは懇意にしてて誘われたんや『白井はんそろそろ庭師辞めて花でもいじらへんか』ちゅってなあ」 アルファ葬儀社の白川ホールは三階建てで一階は天井が高めで大人数の葬儀が出来た。二階三階はそれぞれ三つに仕切ってあり家族葬が出来た。一階全部がいろは商事会長の葬儀場に設営されていた。 「うわこんな大きな祭壇埋めるには相当の花が要りますなあ」 「別に供花は当家がするんちゃうし列席者がするさかい心配いらん」 「そやからこれから事務所で注文状況調べてフル稼働せんと通夜式に間に合わせなあ。今夜来る注文も明日の告別式に間に合わせなあ列席者からわしが頼んだ花がないがなあってなってみい恥欠かすようなもんや鹿能くん今日寝る間ないど覚悟せんと」     
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