第一章

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「お義兄さんありがとう」 「まああなたったら妹に甘いのね。まあそれはそうとして、で花屋さん明日の出棺時に最後のお別れの花、棺花を棺に献花するんでしょうその花について手向ける祖母から注文があるそうですから聴いてやって下さい」 「わかりましたこれから伺います」  鹿能と一緒に奈美も付いて行った。 「あなたも一緒に行くの」  と云う声を背中に聞きながら奈美はそのまま控え室へ向かった。 「一番上で淳子姉さんの旦那さんの賢治さんは婿養子で結構気を遣っているのよ。でもまあ鹿能さん凄いわね立派な花で祖父の祭壇を埋めていただいて。またそのお礼見たいに注文が取れて」 「あのう、実際に作っているのは社長の立花さんなんですが」 「じゃあ鹿能さんは生花作りはしないんですか」 「しないと云うこともないんですが・・・」 「若いんですもの、あれだけの生花を作るには年季がいるのね、まあそう云うことにしとくわ」 二人は控え室に入った。 「一番奥にでんと座っているのが祖母で隣の夫婦があたしの両親です」     
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